建築学外実習(2017年度) 6,7日目【ローマ】
6,7日目【ローマ】
半日かけてフィレンツェからローマへ。
共和国広場を抜け、まず向かったのはトレヴィの泉でした。中央に水の神ネプチューン、左に豊穣の神ケレース、右に健康の神サルースがあります。コイン投げが有名ですが、右手で左の肩越しに投げます。一枚投げればもう一度ローマに戻ってこれる、二枚投げれば愛する人と出会うことができるというのが伝説となっています。
さらに進み、テヴェレ川を越えバチカン市国へと向かいました。国境を超えると、目の前にサン・ピエトロ大聖堂が現れ、コロネードに囲まれたサン・ピエトロ広場が迎えてくれました。ラファエロの手によるこの大聖堂はカトリック教会最大級の大きさを誇り、中央のドームとファサードは美しく荘厳な雰囲気を周囲に漂わせています。カトリック教会の総本山らしい威厳のある佇まいに感動しました。
テヴェレ川沿いに歩みを進めると、カステル・サンタンジェロ(聖天使城)があります。ローマ皇帝ハドリアヌスの霊廟として建てられ、以後ローマ教皇により要塞や監獄として使われた城塞です。現在は博物館として運営されています。正面の橋や城にある天使像はルネサンス期の美しい彫刻で、まるで天使が降り立ったようなリアリティがありました。
この日はローマ市内を周遊し、バールやジェラート店にも行きました。この日の昼食はローマ名物、カルボナーラでした。やはり本場はおいしかったです。
ローマ二日目はバスでの周遊からスタートしました。
コロッセオやフォロ・ロマーノ、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂など主要な観光スポットを巡ることができました。(写真はヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂)
バスを降りて最初に向かったのはコロッセオでした。ローマ帝国の闘技場として様々な娯楽としての戦闘が繰り広げられた場所です。当時は石灰石であしらわれていましたが、周辺の教会などの建材として流用され現在の荒々しいレンガが表れた姿となっています。大きさもさることながら、この大きさを実現する構造を古代ローマで実現していたことに驚きました。
街中へ歩みを進め、パンテオンにたどり着きました。現在の姿で建てられたのはハドリアヌス帝の時代で万神殿として再建されました。その後キリスト教聖堂としても使われ、ラファエロの墓もここに安置されています。パンテオンのドーム中央には穴が開いており、ドーム内面に日差しが差し込みます。ダイレクトに日の光が差し込む様子は、ほかの教会にはない力強さを感じました。
中心へ向かい、トラヤヌスのフォルムへと向かいました。トラヤヌス帝のダキア戦争の勝利を祝い作られたとされています。円弧を描く部分はトラヤヌスの市場であり、商店が並ぶショッピングセンターのような場所であったとされています。建物部分は博物館・美術館として使われていて、現代美術の展示が行われていました。古代の遺跡のなかに現代アートがある風景は珍しく感じ、新鮮な気分でした。遺跡を保護・展示しつつ新しいものを取り入れるのは、イタリアらしい古さを生かし価値を方法だと思いました。
ローマ市街は至る所に歴史的建築や遺跡があり、古いものを保護しようというイタリア人の心意気が伝わってきました。ただ保護するだけでなく、新しいものや用途を取り入れ、うまく現代に利用価値を見出している姿に感動しました。