教育の特色

学部の特色

「地域デザイン科学部」の目標は、地域の持続的な発展に関する教育・研究・地域貢献を推進し、豊かな生活の実現に貢献することであり、そのために、「地域の課題を理解し、地域資源・地域特性を活かした、まちづくりを支える専門職業人」を育成し、本学部を中心に本学の「地域活性化の中核的拠点」としての機能を強化します。この基本的な考えのもとで行う本学部の取組において、主な特色は次のとおりです。

理系を中心に文理融合した地域系の教育実践

既存の大学・学部で地域に関連する教育は、主に文系(社会科学など)を中心にして行われていますが、本学部は“まちづくり”について社会科学の素養も身に付けた建築都市デザインや社会基盤デザインの技術者や、地域を調査分析する理系スキルを身に付けたコミュニティデザインの専門職業人を育成します。このように、理系を中心に文理融合した地域系の学部であることが大きな特長です。

学部共通で「地域対応力」を養成

まちづくりを支える専門職業人に必要な地域の課題解決に向けて実践的に行動できる能力の修得を目的として、学部共通の教育プログラムによって「地域対応力」を養成します。中でも、「地域プロジェクト演習」(3年次、必修科目)では、地方自治団体、民間企業などと連携し、3学科の混成である学生のグループ(5名)がフィールドに入って、それぞれの専門分野から調査・分析などについて議論と実践的な協働を重ね、このことは、真に文理融合した実践力の向上をもたらします。

専門科目のアクティブ・ラーニング化(100%)と全学への波及

本学部の専門科目を全てアクティブ・ラーニング科目として実施します。また、その成果を発展させて、第3期目標・計画期間中(平成28年度~平成33年度)に全学の全ての科目をアクティブ・ラーニング科目とします。これは、学びを深化させるとともにコミュニケーション能力など実践的な応用力を高めることを目標にして、主体的・能動的な学修を強化するものです。このためには、アクティブ・ラーニングに関するFD(ファカルティ・ディベロップメント)やSD(スタッフ・ディベロップメント)が重要であり、全学的な研修会などによって教員への支援を充実させます。

学生主体の「地域報告会」の開催

本学部の教育活動とその成果を公開するため、「地域報告会」を開催します。この報告会・ワークショップの企画・準備・開催など一連の作業は、学生が主体となって行います。

AO入試の実施

本学部の教育プログラムの中枢は、地域をフィールドとしてその課題解決のための実践的な学びを通じて、まちづくりを支える専門職業人の養成を図るもので、このような人材を育成するためには、大学で学ぶ基盤としての学力を備えている入学者だけでなく、将来的に地域と向き合い地域の中で活動することに対して強い関心や意欲を持ち、意欲的に学び続けることができる入学者を選抜することが重要です。そこで、本学部ではAO入試を実施いたします。

「地域デザインセンター」による教育支援と地域連携の強化

本学部の教育課程において、地域との連携とアクティブ・ラーニングの充実を如何に図るかは重要なポイントであり、そこで、本学部の教育プログラムに対応した地域との連携強化(学生受け入れや講師派遣など)とアクティブ・ラーニングに関するFD・SDを主導することを主な目的として、学部附属の「地域デザインセンター」を設置します。特に、授業方法などに関するFD・SDは全学に開放するものであり、全学のアクティブ・ラーニング化を支えるものになります。

コミュニティデザイン学科の特色

本学科は、地域社会を構成する社会集団や制度などをデザインする人材を育成します。

本学科の教育プログラムの特長は以下の3点にまとめられます。

地域の自然、文化、生活と社会システムの視点を融合した学際的教育

現代の地域社会は多様に複合化しており、そこに存在する課題も多様かつ複雑で、重層的な形で存在します。そのような地域社会の中での活動は、地域資源・地域特性にあわせた柔軟な対応が求められ、そのような対応力を養成するためには、地域資源を理解するために十分な専門知識が必要であり、更に社会システムや地域生活を理解できるだけの専門知識を備えた人材を育成する必要があります。このことから、本学科では専門分野を3つの領域、すなわち、社会システム領域(公共政策、地方自治、社会システムマネジメント)、地域資源領域(ランドスケープ、ツーリズム、文化マネジメント)、地域実践領域(社会教育、福祉、多文化共生)に重点化し、まちづくりに必要な専門知識を身に付け、特に、地域資源の活用と社会システムの基礎知識に加えて、文化・教育面でのマネジメントを重視することは、これまでの地域系教育プログラムにはなく、新規的な取り組みであります。これらの教育のために、社会教育主事、社会福祉主事の任用資格を取得可能な教育プログラムとしました。

アクティブ・ラーニングによる実践的な地域課題解決能力の養成

地域社会の課題解決によりまちづくりを推進するためには、地域で活動できる実践力が求められており、このためアクティブ・ラーニングを重視し、実践的な課題解決能力の資質育成に力を入れます。基盤教育科目、学部共通科目、学科開設科目それぞれに、多彩な参加型学修を取り入れた授業を開設し履修させるほか、地域デザインセンターを通じて地域をフィールドとした実践的な教育を行って、地域社会で活躍するために必要な実践力を培うことができます。

社会人としての基礎力とソーシャルスキルの養成

地域計画を実現するためには協働作業を有効に遂行できる能力が必要であり、そのためにはコミュニケーション能力や合意形成力などのジェネリックスキルが求められております。これらの能力は学部共通でも養成しますが、本学科では能力発揮の場が地域社会であり、より柔軟で多様な対応が必要となることから、より重要であり、このことから、社会人としての基礎力とソーシャルスキルの養成を独自の観点からより強化することとしました。そのために、基盤キャリア教育科目を選択必修で履修させる他、学科独自の授業科目を開設する。また、これらのジェネリックスキルは社会調査、地域分析の基礎の上に展開される必要があります。例えば、地方行政の一員として現場で実践的な活動ができるためには、地域の課題を抽出と分析に基づいてなされる必要があるというものであり、この能力を養成するために、社会調査法、地域調査法、統計的手法、情報処理などを養成する科目を開設します。これらの教育のために、社会調査士の資格を取得可能な教育プログラムとしました。

建築都市デザイン学科の特色

本学科は、実践的な建築技術を基盤として居住空間をデザインする人材を育成します。

最も大きな特長は、地域におけるハード、ソフト両面にわたる建築・都市デザインに関する教育研究を行うことで、欧米での建築教育は、「建築学部」という学部レベルで行われており、人間・社会、歴史・文化の理解に基づく建築のあり方、情報や芸術・技術としてとらえた建築のあり方、そして政治・経済との関係における建築のあり方など、建築を多面的かつ総合的に追究する体系をもつが、本学科における教育研究の体系は、こうした点を考慮し、都市・地域に基礎をおいて建築をめぐる新たな体系を構築することを目指します。建築を、工学の枠組みの中で主として科学技術、工学技術の側面に重点を置いてとらえる方法は、今後の我が国の都市・建築を取り巻く状況の下では限界に直面しており、枠組みの再構築が求められており、文理融合とアクティブ・ラーニングの充実はそのための不可欠なアプローチであります。

本学科の教育プログラムの特長は以下の3点にまとめられます。

建築学に関する包括的教育課程

従来の建築学の4つの分野、すなわち建築構造学、建築計画・意匠学、建築環境・設備学、建築材料・構法学に加えて、新たに2つの複合的な分野を充実させます。一つは、高齢者の安全・安心で持続的な生活環境の形成に向けて、高齢化対応、バリアフリー・デザイン、環境心理、建築防災などを扱う建築安全学であり、もう一つは、歴史・文化、省エネルギー・環境保全、リサイクル、長寿命化などを扱う建築再生学であります。この新分野を加えて、都市・地域における建築のあり方をより多面的、総合的に追究する教育、研究の体系と体制が確立されます。

文理融合的教育課程

地域におけるハード、ソフト両面にわたる建築・都市デザインに関する教育研究を行う。建築の主人公たる人間・家族・集団、そして社会、法制度、経済、文化などについての幅広い教養を養うため、心理学、社会学、経済学、環境学、パートナーシップ論などの基盤教育科目、高齢者防災論、建築リサイクル学などの専門教育科目を設け、主に学修課程の前半において、文理融合的な観点から地域における建築のあり方を多面的に学修します。

実践的教育課程

旧学科から引き継ぐ実技・実験としての建築設計製図、建築環境実験、建築材料実験をコアとしつつ、新たに建築インターンシップ、地域デザイン訪問、建築地域設計製図などのアクティブ・ラーニング科目を1~3年次に継続的に設け、それとともに、他の専門教育科目(講義・演習)をも含めた学部教育の集大成として、4年次に卒業設計、卒業研究を配置し、4年一貫の実践的な教育編制を確立します。

社会基盤デザイン学科の特色

本学科は、実践的な建設技術を基礎として社会基盤をデザインする人材を育成します。

地域とは人々の暮らしとコミュニティ、その活動の場を提供する居住空間、そしてそれらを支える社会基盤から構成され、これらの中で、本学科においては、地域の社会基盤、すなわち、インフラストラクチャーの面における課題に焦点を当てて、教育研究を行います。従って、その内容は自ずと総合的なものとなり、学際的な裾野は極めて広いものとなります。本学科では、社会基盤の整備を担うハード面の教育も重要ではあるが、近年の少子高齢化や保有する社会基盤施設の維持管理・延命化、事業主体の債務超過対策、あるいは過去には想像できなかった災害への対応などを合理的に行うマネジメント能力を有する人材の育成のためソフト面にも力点を置いた教育プログラムを構成し、更に、これらの地域社会の取り組みは諸外国、特に、東南アジアの発展途上国の社会基盤整備のためにも重要な役割を果たすことが期待されます。

本学科の教育プログラムの特長は以下の3点にまとめられます。

文理融合による幅広い課題解決能力の養成

学部共通科目として学際的で文理融合的な科目を必修として、これまでの建設工学のハード面の知識だけでは不十分であった、地域における歴史や風土の理解、人間心理、コミュニティデザイン、地域マネジメントなどに関する素養を身に付けられます。これにより、地域の課題を多面的にとらえ、他分野と協働しながら課題解決のロードマップを策定し、多分野の人材とともにミッションを成し遂げられるようになります。

アクティブ・ラーニングの体系化による実践力の向上

知識のみならず実際の行動力を兼ね備えた人材の育成のために効率的でかつ体系的なアクティブ・ラーニングを行います。1年次には、地域デザインのあり方について概略を学ぶとともに、近隣地域での社会基盤整備の現場を実際に訪ねて、地域の課題について議論を深める。2年次には、地域課題に関する調査手法の学修をもとに、地域デザインに係るフィールドワークを実践し、問題解決能力の育成を図る。3年次には、合意形成のプロセスを学科混成グループで学び、地域社会の人々や多分野の人材と協働して問題解決を進める能力の育成を図ります。

これと並行して、2年次において測量と空間情報、3年次において実在する地域の災害対策、海外の事例分析、社会基盤の設計や実験などの専門的な内容をグループで学修することにより、専門知識の運用能力及び専門的チームワーク力を育み、3年次では、更に行政機関や民間企業などでインターンシップを実施し、地域デザインに関わる実業体験を行うとともに、社会基盤整備に関わる倫理的な問題をグループで討議し、地域デザインに携わる技術者として人間力の育成を図ります。

そして4年次においては、これまでの知識、経験を更に先鋭化する研究に従事することで、実践力と専門性を兼ね備えた技術者を輩出します。

グローカル教育による複眼的視点からのデザイン能力

我が国だけでなく、諸外国における社会資本整備や海外プロジェクトにも目を向けさせる。一つの地域だけでなく、地域同士のつながりや海外を含む多様な地域の存在について学ぶことは、地域を複眼的に捉える能力を養成し、地域の強み(地域資源・地域特性)を活かした個性的なまちづくりを支え専門職業人の育成に結びつくとともに、学生自身の将来のビジョンも大きく広げるものであります。