建築見学実習(2016年度) 6日目午後
カサ・バトリョ
カサ・バトリョ(1904~1906)。1900年にカサ・バトリョの左隣りにモデルニスモの建築家設計のカサ・アマトリェールが完成します。カサ・バトリョのオーナーは、見栄えのしない自邸を隣家に負けないものに変貌させるべく、ガウディに改築を依頼したそうです。ファサードだけでなく、地階と1階の拡張、6階と屋根裏部分の増築、内装を全面的に変更されました。曲線を駆使した有機的なデザインで統一されています。動物の骨のような柱や、竜の鱗のような屋根といった外観だけでも迫力があります。事前に日本でチケットを購入していたのでスムーズに入ることが出来ました。見学を考えている方には、事前購入をおすすめします。
また、サロンのバルコニーの窓の上部は採光用、中央は眺望用、下部は換気用の地窓となっているのだそうです。さらに、地窓には手動の窓がついていました。これは現地に行ってみて気付きました。
吹き抜けのタイルは下部に採光を取り入れるために、グラデーションになっているのだそうです。こちらにも窓の下に換気用の地窓が付いていました。
天井裏の屋上です。屋上にデザインを加えるという発想自体が画期的だったそうです。増築した屋根裏スペースは、カテナリー・アーチが利用されているのだそうです。余計な柱や壁がなくて天井が高くて広い空間が作れます。白い壁、床の白いタイルによって清潔感のある場所となっています。カタルーニャではレンガの上に漆喰を塗ることが多く、ガウディ建築もそうです。
カタルーニャ音楽堂
カタルーニャ音楽堂(1905~1908)。花の建築家と呼ばれた建築家ドメネク・イ・モンタネールが作り上げた、モデルニスモ建築最高峰の傑作です。柱、壁、天井など細部に至るまで花の装飾が施してあります。
バルコニーの柱のデザインは一本一本異なっているのだそうです。客席の天井の直径7メートルの巨大なステンドグラスに目を奪われました。ホールが世界で最も美しい音楽空間と呼ばれているのも頷けます。
カサ・ミラ
カサ・ミラ(1906~1910)。ガウディによる集合住宅です。建物内には、採光と換気のために、2か所の中庭を設けているのだそうです。直線を徹底的に排除して曲線を強調した建物で、うねうねとカーブを描く外観が特徴的です。
屋上は煙突と通気口が林立しています。夕日を浴びて綺麗でした。ここからサグラダファミリアも見えました。
屋根裏の「カタルーニャ・ヴォールト」は構造的にも理にかなっています。ライトアップされたアーチが美しかったです。
カサ・コマラット
最後にカサ・コマラット(1911)。サルバドール・バレリ設計のモデルニスモ建築の一つです。特徴は、表側は装飾的、裏側は直線的でデザインが異なることだそうです。写真は裏側の外観です。夜だったので、ステンドグラスがとても綺麗でした。(文責 参加学生K)