地域プロジェクト演習

地域を「知る」・「見つける」・「共有する」

地域プロジェクト演習とは?

地域デザイン科学部の3学科(コミュニティデザイン学科・建築都市デザイン学科・社会基盤デザイン学科)の3年次学生が混成で6~7人のグループに分かれ,実際に地域が抱える課題を調査・整理し、解決策を提案します。各学科の専門性に加え、地域対応力を身につけるための科目です。

1年の流れ(参考:令和3年度 最優秀受賞班)

ここで紹介する班は、地域パートナーの宇都宮市SDGs人づくりプラットフォーム運営本部と一緒に、 SDGsの理解促進を大きなテーマとして取り組みました。

1st Cycleまずはニーズ調査
グループ学習
  • SDGsに関する既存の統計資料の整理
  • グループワークによる学生目線の意見の整理
付箋を使ってブレインストーミング
調査
  • 小学校でのSDGsに関する出前講座の見学
  • 保護者へSDGsの知識・実践に関するアンケート調査
図1 アンケート結果①
子どもから保護者にSDGsの知識が共有されている
図2 アンケート結果②
約3分の1がSDGsに対して、親しみにくいイメージが有る
図3 アンケート結果③
体験しながらSDGを知るツールのニーズが高い
課題の把握、仮説の設定
  • SDGsを「知る・深める」ためのツールが必要!!
2nd Cycle親子で楽しめるツールとは?
小学生・保護者の利用を想定して2つのツールを考案
着目ポイント:
  • SDGsカードゲーム=「知る」!!
  • SDGs目標シート=「深める」
ツールのテスト使用
  • SDGsカードゲームと目標シートの使
  • 事後アンケートの実施
  • 課題抽出
小学生が実際にカードゲームを使用
3rd Cycleツールの実装に向けて…
ツールの最終提案
  • 事後アンケートの指摘事項の反映・改善
  • 最終報告会での発表・提案
最終成果報告会での実演
カードゲーム(プロモーション動画より)
社会実装に向けて・・・
  • 令和4年度の演習でさらに改善案

これまでの成果など

演習では様々な成果が実用化、事業化されています。実際に⾃治体で予算を組んで政策につながっている事例や、⾃主防災や美化活動など⾃治会活動で学⽣の提案が実際に取り⼊れられ、それを⾒た他の地域での広まりを⾒せるなど、地域プロジェクト演習を通した取組が県内各地で独⾃の展開を⾒せ始めています。

大学生の声

本演習を通じ、ユネスコ無形文化遺産という重要な伝統工芸品とその生産地域に関わるというとても貴重な経験をさせていただきました。また、若年層へのPR活動を通じ、結城紬という絹織物の素晴らしさを次の世代へ繋いでいく重要性を実感しました。県外出身者として、演習を通じて得られた新しい発見は人生の財産になりました。学科混合での活動は初めてで戸惑いもありましたが、地域パートナーの方々、先生方、センターの方々の支えがあってやりきることができました。

一年間の地域プロジェクト演習を通して様々な困難はあったものの、多くの地域の方と交流を深めながら、仲間と協力し合うことでここまでこられたことをうれしく思います。課題を自らの力で見つけ、課題を解決する方法を自分たちで考えるというプロセスで学んだことは、今後社会に出たときに必ず役に立つものであると感じました。

長く充実した一年間でしたが、地域の活性化という問題を解決するには短すぎる一年間でした。問題の複雑さを体感し、解決の難しさを実感しました。限られた時間の中で完結する計画を立てることもできましたが、そうせずに地域の声を聴き、地域のためにできる最大限のことをやろうとし続ける労力を惜しまなかったところが、この班の誇りだと思います。良い仲間と素晴らしい活動ができました。ありがとうございました。

理想と現実のギャップに苦労しました。特に、1年間という決められた時間の中、現実的な問題を考えたうえで、どれだけ自分たちのやりたいことに近づけられるか、とても悩みました。最終的には、全員納得いく形で終えることができて、本当に良かったです。自分たちの活動が直接的な課題の解決にはつながらなくとも、現状を変えるための些細なきっかけにでもなってほしいと思います。

地域プロジェクト演習の連携体制

①地域デザインセンター、②地域デザイン科学部教員、③地域パートナー(自治体、団体等)の3者が連携しながら学生の演習をサポートしています。

令和4(2022)年度は県内11⾃治体および8団体、1企業と連携し、24グループ/24テーマが演習に取り組んでいます。地域デザインセンターでは教育支援の一環として当演習をサポートしています。