地域デザイン訪問
対象年次・学期
1年次・通年、全学科必修
授業の概要
地域社会を自然、歴史、文化的側面から見つめ、これらと地域デザインの知識や技術、対応方策との関連について議論を深めることで、デザイン能力育成の端緒とする。このため、各学科で学外見学を実施し、地域社会のコミュニティや種々の施設、技術や対策の取組みに直接触れる機会を設ける。そのうえで、学科混成グループに分かれて地域社会の特性や課題についてグループディスカッションし、その結果を発表する。
授業の到達目標
- 地域デザインの現場に直接触れて、それについて調べ、感想・意見を述べることができる。
- グループで実在する地域デザインについて議論し、その成果を発表することができる。
※地域デザイン科学部の学習・教育目標(A),(B),(C)に寄与する。
平成28年度授業の実績
まず後期授業開始前に、それぞれの学科で、その学科の学生を対象として、地域デザインに関する学外見学を2 日間実施した。見学箇所は次の通りである。
コミュニティデザイン学科(担当:中島宗晧)
9月28日(水)
道の駅「川場田園プラザ」など
9月29日(木)
道の駅「もてぎ」,「うつのみや ろまんちっく村」など
建築都市デザイン学科(担当:安森亮雄)
9月29日(木)
日光東照宮、イタリア大使館別荘、イギリス大使館別荘、JR日光駅など
9月30日(金)
大谷資料館、大谷寺、松が峰教会、旧篠原家住宅など
社会基盤デザイン学科(担当:近藤伸也)
9月27日(火)
湯西川ダム,川治ダム,五十里ダムなど(真岡チャットパレス泊)
9月28日(水)
鬼怒川勝瓜頭首工、鬼怒川上流流域下水道、平成27年9月関東・東北豪雨災害鬼怒川堤防決壊箇所、道の駅「はが」、国道408号道路改良工事など
つぎに後期授業期間では,学科混成のグループ編成を行い、グループごとに、
- 見学現場について説明・議論し
- ポスターを作成し
- 発表して個人ごとにレポートを提出する。
これを各学科が実施した見学について、計3セット実施した。
学生の声(一部、「uuNow」の記事から抜粋)
- ダムにしても浄化センターにしても小さい時から当たり前にあるものと感じてきましたが、実際に足を運んで、そこで人がどんな思いで働いているのかを聞くと、インフラを支える人が絶対に必要だということを感じました。将来インフラを支える人材になるのであれば早い段階で、そういうことを知る機会を持てることはとても良いことだと思います。文系と理系で勉強している科目は違いますが、最終的に向かう方向は「人の暮らしを支える」というようなことで同じだと思います。いろいろな人の考えを擦り合わせるのは面白いし、文理融合はこれから絶対に必要な学びだと感じています。
- 奥日光の旧外国大使館別荘や大谷石の地下空間など、ふだんなかなか行かない所に目を向ける機会を与えてもらえたことが良かったです。建築というと東京など都会に目が向きがちですが、地域の良い所を発見できましたので、地域に根ざした建築活動ができるよう、あまり目を向けていなかった地域の細かな部分や歴史、文化なども授業を通して学んでいきたいと思っています。3学科混成のグループワークでは他学科の学生の意見と自分の考えにズレを感じるところもありますが、いろいろな視点から物事が見られるので混成チームのディスカッションは良い経験になります。
- 道の駅を見学しましたが、周辺住民との関わりや地域のニーズに応えることを大切にしているのだと強く感じました。この授業の中で、そのような地域の人たちの思いを汲み取っていけるような力を身につけていければと思っています。グループワークはダム建設がテーマで、理系の学生は構造などの話をしますが、私が気になったのはダムの活用のされ方や周辺の人への影響です。理系はハード面、文系はソフト面に目が行きやすいことを再認識できて面白かったです。技術的な面と地域住民のニーズを繋ぐようなことが将来の自分の仕事のひとつになるのかなという思いをしました。
- 自分が行ってないところの様子や感想・意見を聞くのはとても参考になったし、自分の専門分野以外での視野が広がったように思われます。
- 他分野の視点からの意見を聞きながら作業することによって新たな発見を得られた。今回は、ダムと水害の関係性だけについてまとめようとしていたところ、他学科のメンバーから、人同士のつながりも重要だったのではないかという意見を受け、より良い発表にすることができた。