コミュニケーション演習

対象年次・学期

1年次・前期前半、全学科必修

授業の概要

学科混成グループに分かれ、円滑な対人関係づくりの上で地域と連携するのに必要なコミュニケーションスキルを身につけるための知識と手法を学ぶ。そして、グループワーク等を通して学修した手法を実践し、手法の体験的な修得を行う。具体的には、地域の特性を数量的に伝える手法、論理的文章として伝える手法、地域の地理的特性を読み解く手法などを体験し、それぞれが独自に問いを発見しそれを表現できるようにし、地域でのコミュニケーションに必要な基礎力を養う。

授業の到達目標

  • 円滑な対人関係づくりの上で、地域と連携するのに必要なコミュニケーションスキルを身につける。
  • コミュニティデザイン学科の学修・教育目標「地域デザインに必要なソーシャルスキル」に対応する。
  • 建築都市デザイン学科の学修・教育目標「地域における多様な主体との間で意思疎通が図れるコミュニケーション能力を身に付ける」に対応する。
  • 社会基盤デザイン学科の学修・教育目標「多様な主体や分野と意思疎通が図れるコミュニケーション能力を身に付ける」に対応する。

平成28年度授業の実績

関係を開始するためのコミュニケーションスキル

  1. 配布資料を基に、ソーシャル・スキルの概要を説明した上で、人間関係がどのように開始され深まっていくかのプロセスについて解説。その後、初対面の人と関係を開始するための具体的スキルを紹介する。
  2. 講義を参考に、一人一人前に出て各自30秒で自己紹介をする。その際、他者の自己紹介をしっかり聴くように指示。各自の自己紹介が終わる毎に、担当教員よりフィードバックを行う。
  3. 4~5名からなるグループの中でペアをつくり、自己紹介を踏まえたフリートークを(ペアを変えて)3回行う。
  4. グループでの振り返りを行い、講評する。

商品をメディアとしたコミュニケーション

  1. マーケティングの概略を解説する。特に顧客ターゲットを絞った商品企画と、商品企画に合わせたPR方法(伝える情報の内容の選び方、伝達手段の選び方)の大切さを説明する。
  2. テーマ(例えば、1丁200円で売る豆腐の企画と売り方を考える)を与え、5人ずつ5チームつくり、付せんと模造紙を与えた上でチームで議論させる。(30分)
  3. チーム毎にプレゼンさせ、意見交換を行った上で、講評する。(30分)

都市の地域特性を読み解き、伝える手法の習得と実践(まちづくり、防災、高齢者対応)

  1. 3~5名の小グループに分け、小グループ毎に集まるよう席替えをする。
  2. レポートの書き方のルール(図のタイトルは図の下、表のタイトルは表の上など)や内容(目的→方法→結果→考察→まとめ)などを説明する。レポートの提出先、提出期限を提示する。
  3. 個人ワーク、グループワークおよびレポートの「目的」の内容を説明する(各人が一人ひとり異なる価値観を持っていることをグループワークで体験し、効果的なコミュニケーションの方法を考える)。
  4. 個人ワーク、グループワークの「方法」を説明する(各人の特性を見える化する心理テストの概要を説明する)。
  5. 個人ワーク、グループワークを行い、「結果」を集計する(個人およびグループで心理テストを行い、結果をグループで共有する)。
  6. 個人ワーク、グループワークの「考察」の例を示す。レポートの提出先、提出期限を再掲する。

建築の地域特性を読み解き、伝える手法の習得と実践(維持管理、リサイクル、快適性)

  1. 模型作製用のふせんと載荷用のマーカー(8本入り)を用意。
  2. 授業開始時に模型作製説明プリントと、ふせん、グラフ作成用の方眼紙を配布。
  3. わかりやすいグラフ作成に必要なこと、地震被害調査例を用いた調査・実験によるデータ採取の意義の説明、実際につくるものの説明を実施。
  4. 教室の座席の近い人から全体を9班に分け、載荷用のおもりとなるマーカーを配布。
  5. スライドをみながら、全員で模型作製。
  6. 班に分かれて、実験とデータ採取。
  7. 個人でグラフ作成。

社会資本の建設と維持管理

  1. 社会資本の建設と維持管理の概要をppt で紹介。
  2. グループ1:構造物の建設推進の意味を検討ととりまとめ、
    グループ2:構造物の建設がもたらす問題の検討ととりまとめ、
    グループ3:維持管理を小規模に行う意味 についてとりまとめ、
    グループ4:維持管理を大規模に行う意味についてとりまとめ。
  3. 建設に関するグループ1 およびグループ2 の立場を説明。
  4. グループ3 およびグループ4 からの質疑と判定。
  5. 維持管理に関するグループ3 およびグループ4 の立場を説明。
  6. グループ1 およびグループ2 からの質疑と判定。
  7. 総括とレポート取り纏めの説明。

大地震発生後に起こる被災者の困難

  1. ワークショップおよびKJ 法の概要を解説する。そして演習のねらい、および進め方を説明する。
  2. アイスブレイク。
  3. 状況付与資料を読み込んで震災から4 日目の現在の状況把握を行い、1 週間後までに起こる課題を付せんに1 つずつ記入する。
  4. 司会の進行に基づいて付せんを1 枚ずつ模造紙に出して類型化する。
  5. ワークショップの成果を発表する。

学生の声

  • 座学中心で自分の意見を発信するということがあまりなかった高校の授業と違う。社会に出たときは自分の意見をしっかり発信することが重要になってくると思うので、とても勉強になる。
  • 地域のことに関して今までとは違った視点で、多方面から考えることになった。地域へのアプローチの方法がいろいろあることを知ることができて、地域に対して幅広く考えられるようになったと思う。
  • 土木建築と直接関係ないのかもしれないが、地域とのつながりを考えるためには必要なことかなと思った。いろいろな視点からいろいろなことを学んで、将来、自分が本当にやりたいことが見つかればいいなと思う。