地域と連携するために必要なコミュニケーションスキルを学ぶ
地域コミュニケーション演習
「地域コミュニケーション演習」は「地域と向き合う力」を養成するための第一歩となる授業です。担当の原田淳教授(コミュニティデザイン学科)と第1期生の学生たちに話を聞きました。
地域コミュニケーション演習では、多様な地域・専門分野の人たちと連携するのに必要な様々なスタイルのコミュニケーションスキルを学びます。毎回異なる教員によって異なる内容のグループワークを、学科混成グループを5、6人で編成して行います。
具体的なコミニュケーションスキルの学びの例としては、心理学をベースにしたコミュニケーションの入口になるようなスキルを学ぶ授業があります。コミュニケーションというと自分から話しかけるということに意識が行きがちですが、大切なのは相手の話をきちんと聞くことで、自分が話す材料は人に聞いたことにあるということに気づくことができた、という反応はうれしい成果です。
社会資本の整備、維持管理の在り方をディベートの要素を取り入れながら考える授業もあります。大地震発生後に起こる被災者の困難をテーマにした授業では、東日本大震災後の行政資料を読んで、どんな問題があるのかをディスカッションしたりもします。被災者に寄り添うマインドを持つことも重要なコミュニケーションスキルであると考えます。私は今年度「商品をメディアとしたコミュニケーション」という授業を企画しました。お店に並んでいる商品からどういう情報を受け取ることができるか、学生の皆さんに考えてもらいます。
学生たちには、会話をすることだけがコミュニケーションではなく言葉以外の表現要素を使って効果的に伝えるコミュニケーションも重要で、それを地域に出て行くときにどのように使ったらいいのか、ということを併せて考えてもらいたいと思っています。
(原田淳 教授)
学生の声
大木智哉さん(コミュニティデザイン学科(1年)
高校生のとき地元商店街のシャッター通りや高齢化の問題を何とかできないかと考えるようになり、問題解決には公務員になるのが一番だと思い、この学科への進学を決めました。コミュニケーション演習はグループワークで意見を出し合っていくという授業形態で、座学中心で自分の意見を発信するということがあまりなかった高校の授業と違います。社会に出たときは自分の意見をしっかり発信することが重要になってくると思うので、とても勉強になります。
天貝有希さん(コミュニティデザイン学科1年)
「地域」の問題というと、自分の中ではどうしても高齢化や過疎化というイメージが強かったのですが、この授業は毎回異なる教員によって異なる内容のグループワークが行われるので、地域のことに関して今までとは違った視点で、多方面から考えることになります。地域へのアプローチの方法がいろいろあることを知ることができて、地域に対して幅広く考えられるようになったと思います。
藤原政茂さん(社会基盤デザイン学科1年)
元々「建設」を学びたいと思っていましたが、他大学の建設学科とは違って地域に密着した新しいことが学べると思い社会基盤デザイン学科を選びました。出身の岩手県は東日本大震災で大きな被害に遭い、自分も何か復興に携わりたいという思いがあります。この演習で防災をテーマにした授業があったのですが、まさに学びたいと思っていた内容でした。復興だけではなく防災や記憶の風化を防ぐということも学べば、もっと深く地域に関われると思っています。
佐野凌汰さん(社会基盤デザイン学科1年)
建築や土木学科となると専門的な学びに限定されがちですが、もっと幅広く学べるのではないかと考え、この学科を志望しました。この演習では「広告」を扱った授業が印象的です。広告を工夫することで同じ商品でも売れ行きが違ってくることを知り、広告の奥深さを感じました。こういうことは土木建築と直接関係ないのかもしれませんが、地域とのつながりを考えるためには必要なことかなと思いました。いろいろな視点からいろいろなことを学んで、将来、自分が本当にやりたいことが見つかればいいなと思っています