Welcome to 授業「建築材料実験」

Welcome to 授業「建築材料実験」

地域デザイン科学部

授業の概要

良い建築物を構築するためには建築材料に関する知識が不可欠であり、それらを建築材料ⅠおよびⅡの講義で学んでいます。その理解をさらに深めるため、「建築材料実験」では、フィールドを実験室に移して、学生自身の手でコンクリート、モルタル、木材、鉄筋、石材、タイルなどの各種実験を行い、それらの特性や性能等を学習しています。

実験の様子
実験の様子

教員から

杉山 央教授

学生が建築材料に直接触れて体験できるのが、この授業の特色です。フィールドを講義室から実験室に移して、学生が材料の試験をします。頭で学んだことを体でも学び、座学の講義ともリンクさせています。TAの4年生や大学院生が実験の指導補助をしてくれますが、教える側に回ると内容をよく理解しますし、教わる側も好奇心を持ってよく学び、互いに知識や経験を高め合います。それが狙いです。
日本は、コンクリートの高強度化技術では世界で一番です。地震などの災害があり、また狭い土地にたくさんの人が住むために建物が高層化し、高強度のコンクリートが必要になってきた、そういう背景があります。ゼネコンに入社すると、最初の2年間は施工の現場にいきますので、設計だけでなく施工を知らなければなりません。学生時代に経験しておけば、社会に出てからもスムーズに仕事ができます。

杉山 央教授
杉山 央教授 専門分野:建築学・建築材料 授業科目:学部/建築材料ⅠⅡなど 大学院/建築構造材料特論など

中島 史郎教授

近年、世界的にも木造建築の幅が広がり、昔は木で建てるとは思われていなかった大規模な建物に木材が使われ始めています。そのような状況にある中で、木材の強度はどのように定められ、それに基づいた設計はどのようになされるのか。この授業では基本的なところを学んでもらうために実験をします。木材は学生たちも普段から接する機会が多く身近な建築構造材ですが、樹種によって特性があり、強度にも違いがあることに気づくこともこの講義の面白さだと思います。栃木県は製材の生産量でいえば全国で3番目、木材生産県なのですが、あまり知られていません。木造建築の基礎となる木材について学び、地域や国内の資源を建築に活かす方法について考える機会を与えるのもこの授業の目的の一つです。

中島 史郎教授
中島 史郎教授 専門分野:建築再生・木造建築など 授業科目:基盤/情報処理基礎 学部/建築コンバージョン論など 大学院/木造建築特論など

藤本 郷史准教授

建築学では建物という実体のあるモノを扱っていますから直にモノを触る経験が重要です。この授業は建築材料を実際に作り、触れ、壊すという実験科目です。座学の講義では、材料を概念的な理論や数式で取り扱っていますが、実際の建物では、本当にさまざまな材料が使用されており、理論や数式では表現しにくいような配慮をおこなって、初めて良い建物を建てることができます。例えば、コンクリートは、まだ固まらないどろどろの状態で工事現場に到着しますから、施工の質が悪いと強度も耐久性も十分に発揮されません。「ばらつきがある材料をどのように取り扱うのか」「教科書通りにはいかなかった理由は何か」といったことを考える機会を提供するのがこの講義の狙いであり、良い建築士として社会に旅立つための重要な準備でもあります。「この実験科目を経てモノを触る楽しさに目覚めた」という学生が例年たくさんいます。とても心強いことです。

藤本 郷史准教授
藤本 郷史准教授 専門分野:建築物の施工・維持管理・解体など 授業科目:学部/建築構法など 大学院/現存建築物分析学特論など

学生から

建築都市デザイン学科3年 村井 彩良さん

座学に比べて実際の施工により近いやり方で学べるので、計算方法など知識の定着に役立っています。机の上での計算と実際にやってみたものとで違いが生じる可能性も理解できました。実験中は先生方が見て回りアドバイスをいただけるので、個別に先生と話す機会が増え、よりアクティブな授業だと感じます。

建築都市デザイン学科3年 村井 彩良さん

建築都市デザイン学科3年 北村 海都さん

共同作業で一つの実験結果を導いていくところに面白さを感じます。作業が中心なので身体で覚えることが多く、機器も扱うので実務にもつながる授業です。4年生や大学院生が実験をサポートしてくれるのですが、同じ学問を学んでいる先輩が教えてくれることで興味も高くなり、また頼りになります。